注文住宅では屋根材の仕様を何にするのかを選択することができます。
しかし、屋根材は見た目以外でどんな違いがあるのか、わからない人も多いでしょう。

屋根材は見た目の違いだけではなく、耐久性や性質が大きく異なります。そのため、それぞれの特徴を把握した上で選ぶのが大切です。

この記事では屋根材の種類やメリット、デメリット、おすすめの屋根材について解説します。

屋根材の種類は?

屋根材は大まかにカラーベスト、アスファルトシングル、ガルバリウム鋼板、瓦の4種類があります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴を簡単に解説します。

カラーベスト

カラーベストは、コロニアル、スレート、スレート瓦などと呼ばれることもあります。セメントと繊維でできた板に塗装をしている屋根材です。安価で軽く、日本国内では高い人気があります。

その反面、定期的な塗装が必要でコストがかかる点がデメリットです。15年~20年に10年に1回くらいの頻度で塗装が必要で、定期的な塗装をしないと割れが発生することがあります。屋根面積にもよりますが、塗装費用は一回につき、約40万〜80万円ほどかかります。そのため、長期的なコストパフォーマンスはそれほど高くはありません。

初期コストを安く抑えたいという場合にはおすすめできる屋根材でしょう。

アスファルトシングル

出典:リショップナビ

アスファルトシングルは、北米では100以上前から国内では50年ほど前から使われている屋根材です。ガラス繊維にアスファルトを染み込ませていて、表面に石が貼り付けられています。耐久性や防水性が高く、重量も軽いため、扱いやすいことが特徴です。

ただし、排水性がそれほど高くはないため、立地条件によっては、藻が生えてしまうリスクがあります。また、カラーベストほどの頻度ではありませんが、定期的な塗装が必要な屋根材です。

アスファルトシングルは塗装費用が高額になるため、再塗装をする場合にはコストがネックになるでしょう。長期的に住む予定がなく、再塗装を考慮しない場合には選択肢になります。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は外壁にも使われますが、屋根材にも使われています。ガルバリウム鋼板は軽い上に、耐久性があることが特徴です。費用もそこまで高くはありません。ガルバリウム鋼板は見た目にスタイリッシュな印象があるため、ここ数年高い人気があります。

デメリットとしては、金属のため高温になってしまうことです。裏に断熱材があるものもありますが、夏場に家全体の室内温度を上げてしまう恐れがあります。また雨音が響いてしまうため、雨が降ると雨音が不快に思うかもしれません。

これらのデメリットを施工方法などで解消することもできますが、そうすると、費用がどうしてもかかってしまいます。そのため、デメリットを解消したい場合はコストがネックになるでしょう。

スタイリッシュな屋根が好みの人や、安さと耐久性の両面を求める人におすすめです。

 

日本で昔から使われている瓦ですが、現在でも多く使われています。平板瓦とS瓦などの種類があり、色の選択肢もあります。質感はツヤがあるものからマットなものまで表現技法も様々です。

耐久性が高く、塗装を必要としないため、長期的なコストパフォーマンスが高いことも魅力でしょう。塗装をしていなくても、耐久性が下がることはなく、色落ちもないため、見た目の美観も長期間維持できます。

デメリットとしては、上記で紹介した屋根材と比べるとやや重量があることです。そのため、場合によっては耐震性に影響することがあるため、構造計算が必要になります。

屋根材は瓦がおすすめ!

どの屋根材が1番良いのか、今一つわからない人も中にはいるのではないでしょうか。それぞれにメリットとデメリットがありますが、プロホームとして1番おすすめできる屋根材は瓦です。

瓦は素材自体の耐久性が高く、従来と比べると施工性も大幅に向上しました。そのため、デメリットが減り、メリットが大きくなりました。

昔ながらの瓦の場合は、土を敷いた上に瓦を接着して施工していましたが、現在では「乾式工法」と呼ばれる土を使わない施工法が主流になっています。土を使う工法は、施工費用も材料費もかかることがデメリットでした。

しかし、現在では瓦桟と呼ばれる木製の桟に瓦を固定する方法が行われています。また現在では瓦桟が樹脂になっているものも選べるようになりました。

瓦は上から重ね合わせて施工するため、台風など強い風を伴うと屋根に雨水が侵入することがあります。下に防水紙が施工されているため、防水紙が破れない限り雨漏れはしませんが、木製の桟の場合は、その部分が腐敗することもあります。

樹脂製の桟であれば、そのような心配も不要で、雨水をスムーズに排出できる点がメリットです。木製の桟よりは施工時にコストがかかりますが、長期的な目線で見れば、樹脂製の方が安心です。

まとめ

この記事では屋根材の種類やそれぞれのメリットとデメリット、おすすめの屋根材について解説しました。

屋根材はそれぞれの特徴がありますが、長期的に見てプロホームがおすすめできるのは瓦です。瓦は耐久性が高く、メンテナンスも少なくすみ、長期的なコストパフォーマンスがかなり高くなります。やや重量が重いことがデメリットですが、構造計算し、適切な設計がされていれば問題にはなりません。

それ以外の屋根材は再塗装が必要になる場合や、別のデメリットがあり、1番良いとは言い切れません。

この記事を参考に、それぞれの特徴を把握し、自分に合った屋根材を選んでください。

 

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