Column家づくりコラム
注文住宅の契約に必要な「売買契約書」と「請負契約書」って?
売買契約と請負契約、注文住宅の契約で特有の契約方法が請負契約です。
売買契約と異なる点がいくつかあり、その性質を知っておかなければ、あとあとトラブルになることも。
しかし、請負契約を結ぶ機会はほとんどなく、売買契約とどう違うかピンとこない人も多いのではないでしょうか。
この記事では売買契約書と請負契約書とは何か、その違いについて詳しく解説します。
売買契約書と請負契約書とは
では売買契約書と請負契約書とはそれぞれどのような契約なのか、解説します。
売買契約書とは
売買契約書は契約時点で土地と建物がセットで販売されている契約書です。
売買契約の場合には売り手側が建築確認を済ませている必要があります。
建築確認とは、その建物がきちんと建築基準法を守って行われているか、建物の建築中に確認する手続きのことです。
そのため注文住宅の場合、建物の売買契約は行われず、土地のみ売買契約が行われます。
請負契約書とは
請負契約書はこれから家を建てる場合に行われる契約書です。
契約時点では施工が始まっておらず、契約後に工事が行われます。
通常では企業間などで行われることが多いですが、注文住宅は個人間でも請負契約になる数少ないものの一つです。
売買契約と請負契約の違い
売買契約と請負契約は、形になっているものかそうではないかで大きな違いがあります。
ここでは売買契約と請負契約の違いを具体的に解説します。
宅地建物取引業法の適用の有無
売買契約と請負契約の違いは宅地建物取引業法の適用の有無です。
売買契約の場合は宅地建物取引業法が適用されるため、建築確認を受けていない場合には、売買契約自体ができません。
特に影響を受けるのが、解約時の手続きです。
売買契約の場合には、契約締結後でも契約履行前であれば、手付金を放棄することで、契約を解除できます。
手付金がなくなるというリスクはありますが、違約金の請求などは法律で規制されているため、手付金以上に支払いが発生することはありません。
これに対して請負契約の場合には、建築確認が行われる前の契約になります。
そのため、売買契約の場合には適用されていた宅地建物取引業法が適用されません。
契約を解除する場合には、手付金を払う必要があるだけではなく、契約内容によっては違約金が発生することもあります。
さらに宅地建物取引業法が適用されることによる手付金の上限が適用されません。
そのため、契約解除の際に関わる違約金がどの程度なのか、契約を結ぶ前には必ず確認しておきましょう。
プラン変更の可能性
売買契約と請負契約の違いはプラン変更の点で違いがあります。
売買契約の場合にはすでに建築確認を通っているため、建築プランの大きな変更はできません。
具体的には、間取りの変更などはまずできませんし、できるとしても簡単な変更のみです。
これに対して、建築請負契約の場合には、未完成で建築確認が終わる前までは間取りなどの変更もできます。
請負契約をスムーズにするための注意点
請負契約は売買契約とは異なるため、トラブルにならないように注意するべき点もあります。
具体的にはどんな点に注意するべきか、ここで詳しく見ていきましょう。
間取り・仕様・見積もりまでしっかりと決める
請負契約の場合、間取りや仕様・見積もりまでしっかりと確認しておきましょう。
これらを契約までにある程度決めておく必要がありますが、契約が締結され工事が進んでいくと、徐々にプラン変更が困難になります。
わからないところや不安なところがある場合には、できるだけしっかりと説明を聞き、疑問点がないようにすると、万が一何かあったときもスムーズに建築会社と話をできるでしょう。
支払い条件はよく確認する
請負契約をトラブルなく行うためには支払い条件を特に確認することが大切です。
請負契約の場合、支払い条件を確認しておきましょう。宅地建物取引業法が適用されないため、違約金等の金額をしっかり確認しておくと安心です。
まとめ
この記事では住宅を建てる上で、大切な売買契約と請負契約とは何か、それぞれの意味や違い、スムーズに進めるための手順について解説しました。
請負契約は普段結ぶ機会がないため、特有の注意点を把握しておかなければ、トラブルになる可能性があります。
特に解約のリスクがある場合には、解約条件をよく確認しておかなければいけません。
この記事を参考に請負契約で注意するべき点をしっかりと確認し、トラブルが起きないようしっかりと確認しながら、後悔のない注文住宅を建てましょう。